動物再生医療推進協議会 設立趣意書

 「再生医療」とは、機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器に対して、細胞を積極的に利用して、その機能の再生を図るものです。現在、重篤な臓器機能不全に対しては、臓器移植または人工臓器による治療しかなく、それぞれ医学的、社会的なさまざまな問題を抱え、十分な治療法とはなりえていません。その他の疾患についても、有効な治療法が存在しないもの、既存の治療法の満足度が低いものが少なくありません。これらの解決策として、「再生医療」の実現が求められています。
 動物医療においては、2014 年11 月に施行された改正薬事法に「動物用再生医療等製品」が盛り込まれ、動物医療における再生医療の研究開発の枠組みも整備されつつあります。
 このような状況のもと、動物再生医療の臨床応用の適切な推進・普及には動物医療関係者のこれまでの研究成果・治療経験を生かし、対象動物や疾患に最適化した動物再生医療用医薬品および医療機器を迅速かつ的確に開発・提供していくことが社会的要請となっています。
 また、動物再生医療用医薬品等の動物用再生医療等製品の実用化の促進に必要な細胞・組織・臓器等の取り扱い、培地等の製造関連の諸基準や有効性確認の基準の策定、品質・規格および安全性の確保などの課題には、産学官が連携して取り組むことが必要であり、その技術的課題の解決には関連産業界及びアカデミアが主体となって取り組むべきものです。
 私たちは、上記課題を解決し社会に貢献することを目指し、動物再生医療に関わる全てのセクターが自由に意見交換し協力して、再生医療の実用化と適切な普及を強く推進するための公益的活動基盤として、動物再生医療推進協議会を設立するものであります。

 2015 年3 月
動物再生医療推進協議会設立発起人会

設立趣意書のPDFはこちら:設立趣意書.pdf